バイクの話しその1

【業者さんが語る取引事例】
ホンダ・CB400SF。大定番のエントリーネイキッドであると同時に、今では希少となりつつある現行ラインナップの並列4気筒エンジン搭載モデル。

 

1/12 ネイキッドバイク No.09 Honda CB400SF (ブラック)

1/12 ネイキッドバイク No.09 Honda CB400SF (ブラック)

 

 中古車は年式により相場の差はありますが、比較的安定した取引が行われています。ですが、それは状態の良い場合に限ってのことです。

行きつけのお店の店長さんが、買取以来を受けてお客さんの自宅まで見にいったCB400SFを観てまず最初に思ったのが「汚い……」という感想でした。屋根無しカバー無しの状態で保管してあったことが容易に分かる汚さでした。それも1ヶ月や2ヶ月というレベルで汚れたというものではありません。年レベルでした。

依頼されたのは、持ち主のお父さんでした。実家から越してしまった息子さんが置いていったバイクだそうです。息子さんはもう乗らないようなので、買取してもらうことにしたそうです。

外装は汚く、シートには猫が引っかいたような傷、タンクにはいくつかえくぼがありました。工具を落としたような傷跡です。装備はほぼノーマルでした。バッテリーが不安でしたがとりあえずエンジンはかかりました。しかし、チェーンなど各部消耗品の交換が必至でした。

状態を判断して出した査定額は、店長さんとしてはギリギリの価格。お父さんの想像以上に低い査定額だったらしく、急遽息子さんに電話して相談。そして悩んだ結果そのまま買取となったとのことです。

 

【外観が汚いバイクは色々不安…】
買取以来を受け、まず車両の外観が汚いと買取査定額を低くする覚悟を決めるそうです。外装が汚いということはそれだけ粗悪な扱いを受けていたと判断しやすく、内部メカにまで問題を予想してしまうからだそうです。

今回のCB400SFのケースでは持ち主のお父さんが依頼者でしたが、どんな状況で保管していてどれくらい乗っていなかったかを丁寧に教えてくれたので問題を把握しやすかったのですが、時には何年も乗っていなかったのに「最近までちょくちょく乗ってました」と、何気ない感じで誤魔化したり嘘をつこうとするお客さんもいるんだそうです。

そんな誤魔化しや嘘は大抵すぐに見抜けるのですが、出張買取でその場で取引となると、シャシダイを使用して機関状況を確認できるわけでもないので、ある意味勝負になってしまいます。当たり車両を引くか、問題車両を引くか。商売としては、リスクを考えて問題車両の場合を考えて査定額を提示せざるを得ません。そういうこともあり、外観の汚さは低価格査定につながるとも言えてしまうのです。